在銘「亀」の銅製の鶉（うずら）香炉です。 「亀女」は江戸時代後期に長崎で活躍した有名な鋳金家「津村亀女」で、金物細工師であった父の娘、父の業を継ぎ唐物風の香炉を製作、中でも代表作は銅製の鶉香炉であったと解説されていますが、生没年も不詳で多くは不明のようです。 ネット上で鋳金の鶉香炉は「津村亀女」の作品を含め中国骨董も見られますが、体形、顔の愛くるしさ、くちばし、足の爪先などが、中国骨董に比べより繊細に作り上げられているように感じます。 「津村亀女」の作品は長方枠に「亀女」が在銘ですが、出品商品は枠のない「亀」の一文字で、「亀女」自身の作品ではなく、次のように考えられます。 「津村亀女」は子や愛弟子がなく（？）一代限りであったようで、「亀女」の鶉香炉に魅了された後の鋳金家が「亀女写し」を製作し残したものではないかと推測されます。写しは、いつの時代の鋳金家がどれほどの数製作したかなどは不明です。 大きさは、高さ約８．５ｃｍ、幅約６．５ｃｍ、奥行約６．５ｃｍ、 重さは約３５０gです。 江戸時代後期の「津村亀女」自身の作品でないとしても、相応の骨董品だと思いますが、目立つ汚れやキズ、欠け、凹みなどはほとんど見られません。また、香を焚いたような跡や汚れも見られません。 愛くるしい表情の鶉香炉を、コレクション以外に、香炉に、置き物に、飾りに、などお使いいただければ幸です。